温かなガスランタンの明かりに惚れ直す。「トップライトリフレクター」
ガスランタン、それはロマンのかたまり。
ガスランタン。それはキャンパーにとって心躍るアイテムのひとつ。
点灯中に発せられる静かなガスの燃焼音は、温かみのある光と相まって、ただそれだで私たちを癒やしてくれます。普段の生活では見ることがない高熱の光の玉を眺めていると、自分の中にある本能や野生のようなものが目を覚まし、わけもなくテンションが上ります。
同じ照明器具でも、手軽さが身上のLEDランタンとは必要性のベクトルがまったく異なる「大人の火遊び道具」と言えます。
ギガパワーランタン天が好きすぎて
ギガパワーランタン天は、スノーピークが1998年に生み出した、小型ガスランタンの傑作です。点火装置(イグナイター)が付くなど小改良はありつつも、基本的にはほとんどその姿を変えないまま、26年間も作られ続けてきました(2024年8月現在)。
私はこの小さなガスランタンが本当に大好きなのですが、それゆえに、ふたつの「もどかしさ」も感じていました。
ひとつは、置き場所に困ること。
天のマントルは、小さいにも関わらず、非常に明るく輝きます。ですが、テーブルの上に据え置くことしか出来ない構造なので、例えば食卓に置くと、視界に強烈な光が入り込んできて、眩しさで直視できないのです。
なので、設置する位置を目線より高くしたいと思うことが増えました。上から吊るせれば、より広い範囲を照らすこともできるはずです。
ところがここで、もうひとつの問題が首をもたげます。それは、せっかくの強い光が拡散してしまうこと。
天にはリフレクター(いわゆるランプシェード)が付いていません。なので、光が全方位に散ってしまい、光を100%有効には利用できないという一面がありました。
この状態では、ランタンを高い位置に設置できたとしても、自らの真下にガス缶の大きな影が発生して、いちばん照らして欲しいところが、まるで日食のように暗くなってしまうのです。
そこで、このふたつの問題を解決し、ギガパワーランタン天が秘めているポテンシャルを最大限に発揮できるよう、「高い位置に吊るすためのフック」と「光を下方向に集めるリフレクター」を作ることにしました。
癒やしの小道具からメインランタンへ
作ってみて改めて分かったのは、「吊るすだけでもリフレクターを被せるだけでも駄目で、フックとリフレクターの両方が揃って、初めて大きな効果が得られる」ということ。
吊り下げフックで高い場所に吊るし、リフレクターによって下方向に光を集められるようになった結果、天はその豊富な光量を存分に生かし、広い範囲を明るく照らせるようになりました。ソロやデュオの小さなサイトであれば、テント前スペースの明かりを、ほぼ一灯でまかなえます。
また、夏季であれば誘蛾灯の役割も果たしてくれるので、幾重にも実用性が増します。
近年、ガスランタンやガソリンランタンは、安全で小さく安価なLEDライトに主役の座を追われ、最近は使わなくなったという声をよく耳にします。
そんな今だからこそ、もう一度、ガスランタンの「リアルな温かさ」を思い出してみませんか?